新淀川が開削されて100年。
2006年(平成18年)
10月7日阪急中津駅前にて「中津祭り」
10月8日淀川大橋北詰を川原に降りたところ(十三が最寄り駅)にて
「新淀川開削100周年記念イベント」(スケジュール下記)
が開催されました。

「新淀川開削100周年記念イベント」は当ompが参加する「水都の会」が主催しました。
(以下、開催告知より)



 ○昔、十三は中津町にあった。

 明治中期まで、西成郡中津町は、大阪市の北西の玄関口として、
中国街道や能勢街道の経路として、大いに賑わった。その中でも
有名なのが、十三の渡しであるが、これは上から十三番目の渡し
であったため、その名がついたともいわれている。

 現在は、阪急電車に乗って梅田から北へ、淀川を渡ったところにあり、
行政区画としては淀川区に位置しているこの十三が実は明治時代には、
中津川の南岸の中津町にあったことを知っておられるであろうか。

 実は、今からちょうど100年前、大阪の町を洪水から守るため、新淀川
を開削した時にこの十三の町は、淀川に水没してしまったのである。
 十三の住民は、ちょうど新淀川の北岸に旧中津川の河川敷があり、
ここを中心に新しく十三の街を作ってきたのである。

 旧中津川は、十三より西側で大きく北に円弧を描くような形をして流れ、
新淀川開削時には、中津川南岸にあった中津町の一部が、新淀川北岸に
取り残されたような形になった。
現在の塚本地区がそうで、この地域は現在でも阪急中津駅に程近い
富島神社の氏子地となっている。
 

 ○中津はまるでベニスのような町だった。

 大阪はもちろん八百八橋というぐらい、道頓堀を始め、市内に
さまざまな川がめぐっている「水都」であるが、明治初期の中津町の
地図を見れば、
中津は大阪市内どころでなく、道路よりもはるかに多く、町中を水路
がめぐっており、今日で言えばベニスか中国の蘇州のような町であった。

 この水路を通じて、諸国からの物産も集めることができ、中津は大いに
栄えていた。
 現在、交野市に窯を持っておられる焼き物の家元である吉向窯も
もともと中津に窯を構えておられたが、その理由は水運を通じて
全国の土を集めるのに適していたからだと伺っている。

 ○中津は戦後まで水運で栄えていた

 新淀川開削時に塩害を防ぎ、洪水時の水量調節をするため、淀川に大堰が
設けられた結果、それまで、蒸気船等で京都(伏見)まで通じていた水運
が不自由になることから、中津(長柄)運河が設けられ、重量物の運搬に
あたっていた。

 中津の町からは悠然と行き来する汽船の動きが眺められたが、やがて
自動車交通にとってかわられ、省みられることが少なくなってからは、
ごみ捨て場のようになり、運河は戦後埋め立てられている。現在、
淀川の南岸の堤防の外にある畑のような部分は、中津運河の名残りである。

 ○十三の渡しを通じて旧中津川両岸は非常に近い関係にあった

 天満橋・天神橋を中心とした中之島近辺の大川を舞台とする天神祭では、
船渡御が有名な祭事となっているが、最近、難波八坂神社においても、
道頓堀にて船渡御が久方ぶりに復活したように、中津の富島神社でも
江戸時代から明治中期にかけては、中津川を船で渡り、現在の十三側
に行く祭事が行われていた。

 このように、新淀川ができるまでは、簡単に往来できる状況にあった
ため、両岸の結びつきは、相当強固なものがあったようである。
 新淀川が開削され、両岸が「海」で隔てられたことから、両者の関係は
非常に希薄なものに成ってしまっている。

 というような両岸の交流を復活させるため、川の中央での両者の
 「100年ぶりの再会」を演出できればと思います。

 10月7日の中津まつりでは、葦舟の締めなおしも行います。
ステージやフリーマーケットもありますので、是非おいでいただき
(阪急中津駅前です)

 そして本番である翌日の8日実施される100周年記念イベントの
 場所は淀川大橋(十三が最寄り駅)北詰を川原に降りたところです。
是非ご参加ください。(11時半ごろからです)



100周年記念イベント(葦船による両岸交流会)

10月8日
(午前10時)    小竹葉野号 中津側河川敷(阪急、淀川大橋間野球グラウンド)
          神津号   十三側河川敷(阪急、淀川大橋間野球グラウンド)
午前11時    両岸にて(葦船による両岸交流会)
淀川河川敷にモンゴルの大規模なテント等を立て、会場整備を行うとともに、葦船による活動の展示等を実施
午前12時    両岸にて葦船の出発式挙行(進水式)
   12時10分  淀川河川中央地域(淀川区、北区の境界地点)にて双方遭遇
   12時30分  淀川区の主会場に双方の葦船が帰還
 午後1時〜3時  係留している葦船への一般市民対象の試乗会
          昼食をとりながら音楽鑑賞
        (参加予定)   中津小学校児童、淀川・大淀等各少年野球
チーム他 一般市民 
(中津小学校総合学習の時間において、当会の葦船プロジェクト等について
10月4日に講演予定)